[パンに加える油脂の種類とタイミング]バターやオリーブオイルの加え方
生地にはちみつとオリーブオイルを練りこんだトルコのパン「エクメック」を焼きました。
このパンは「メゾンカイザーのパンレシピ」に掲載されていたものをアレンジして作ってみました。
このパンのバリエーションとして、黒ごま、白ごま、亜麻の実、キヌアなどの穀物を加えた「エクメック・セレアル」も香ばしさが増しておすすめのレシピです。
パンに加える油脂の割合
今回焼いたパンの油脂は「オリーブオイル」を使いましたが、パンの種類により加える油脂の割合や種類は変わります。
基本の割合としては、食パンが4〜10%、バターロールが10〜15%、ブリオッシュが30〜50%ぐらいが目安になるかと思います。
最近の食パン専門店などはリッチな配合で付加価値を出しているので、油脂の割合が10%超えの食パンも珍しくありません。
パンに加える油脂の種類
パン作りに使う油脂の種類は「動物性」「植物性」「固形状」「液状」に分類されます。
動物性で固形状のバターは風味、ボリュームともに出しやすいので、パン作りに使われる油脂の代表的なものです。
植物性で固形状のショートニングは無味無臭です。油脂の風味は出したくないけれど、ボリュームはふんわりとしっかり出したいパン作りに適しています。
植物性で液状の油脂はオリーブオイル、グレープシードオイル、太白ごま油、サラダ油などがパン作りによく使われます。液状の油脂はパンのボリュームを出すのには向きません。
パン生地に油脂を加えるタイミング
油脂は加えるタイミングを変えることによって生地の食感を変えることもできます。
加えるタイミングを大きく分けると「グルテンをつなげた後か」「グルテンをつなげる前か」です。
グルテンをつなげた後に加える
パン作りの基本としては、初めに油脂以外の材料を混ぜてある程度グルテンをつなげてからバターなどを加えていきます。
グルテンの形成を断ち切る性質のある油脂を加える前に、あらかじめグルテンをつなげておくことで、しっかりグルテンのつながった伸びのある生地に仕上げることができます。
注意することとして、油脂を加える前段階でグルテンが完全につながるまで混ぜ過ぎないことです。
ある程度までつながった状態で加えることで、油脂も生地になじみやすくなり、オーバーミキシングも避けられます。
グルテンをつなげる前に加える
初めから油脂も加えて混ぜると油脂がグルテンの形成を断ち切りつながりを浅くするので、サックリとした食感の生地に仕上げることができます。
オリーブオイル、グレープシードオイル、太白ごま油などの液状油脂は、バターなどの固形油脂にくらべ生地になじみやすいので初めから加える作り方に向いています。
たとえば、サックリ食感のフォカッチャを作りたいときは、初めからオリーブオイルを加えて混ぜることでイメージに近い生地を仕上げることができます。
それぞれの油脂の特性や使い方を知り、作りたいパンの食感、風味、ボリュームによって使い分けることでパン作りの表現の幅はどんどん広がっていきます。