ブレッド&サーカス 粉からおこす自家製天然酵母のパンづくり
湯川原の人気ベーカリー「ブレッド&サーカス」のレシピ本です。
この本には、全粒粉から起こした固形種を、ホワイト、ライ麦、全粒粉の3種類のスターターに展開させていくパン作りが紹介されています。
発酵種のリフレッシュや保管の方法、それぞれ個性の違う発酵種をパンによってブレンドしていく手法はパン作りの参考にさせてもらっています。
「ブレッド&サーカス」でしか出会えないパン
ブレッド&サーカスという、響きのいい店名は「おいしいものとたのしいこと」の意味を込めてつけられたそうです。
創業者である寺本五郎さんの取材記事を読んだことがありますが、お店を始められたのが60才を過ぎてからで、パンに関する洋書を読みこみ、ボストンのユダヤ系の人達にパンを習ったそうです。
私がTEDの講演や全粒粉パンに関する著作があるピーター・ラインハートを知ったのも寺本さんが名前を出されていたからです。
パン作りのセオリーにとらわれず世界中のパンから得たインスピレーションをブレッド&サーカスの流儀で表現したパンは独自の世界観を持っています。
ひとつひとつのパンの生まれた背景や思い入れも詳しく解説されていて、アメリカ、ドイツ、フランス、ウクライナ、北欧など、さまざまな国の伝統的なパンへの敬意、どこにもないような美味しいパンを焼きたいという情熱が伝わってきます。
P.S. 奥様の寺本康子さんの印象に残った言葉を紹介します。
パンは食べてしまえば消えていきますが、おいしい記憶や
誰かと囲んだテーブルの記憶は、一生、人を温めつづけてくれます。