食パンとフランスパンの最終発酵の温度や時間の目安
成形で締まった生地を適度に緩めてあげる最終発酵は、生地を気持ち良く窯伸びさせるために大事な工程です。
パン生地によって最終発酵の温度と時間の目安は変わります。
基本として、大きく以下の二つに分かれます。
- ソフト系は温度高めで時間は長め
- ハード系は温度低めで時間は短め
実数値としては、以下が目安になります。
【ソフト系の型焼き食パンの場合】
最終発酵は温度30〜35℃、時間50〜90分
【ハード系のフランスパンの場合】
最終発酵は温度20〜28℃、時間20〜45分
(※あくまで私個人の見解です)
最終発酵はケースバイケース
上記の温度や時間の数値は目安でしかなく、生地の配合、捏ね上げ温度、1次発酵の温度や時間、生地の重量、求めるボリューム、成形での生地の締め方などによって変わります。
例えば、最終発酵をほぼとらず直ぐに窯入れしたり、成形で生地を意図的に強く締めておいて窯入れまでの時間を遅らせたり、高めの温度で発酵させておいてから窯入れ直前に生地を冷やすことで窯伸びを促したり、生地の状態によってケースバイケースで対応します。
ルヴァン種を配合したカンパーニュなど、大きいサイズのパンは最終発酵に3〜6時間かけて生地を緩ませてから窯入りするケースもあります。
パンを作った経験値に勝るものはなし
「もう少し発酵をとった方がよいかな?」
最終判断に悩む時は多々あります…。
長い時間をかけて大切に育てた生地が、良い表情のパンに焼き上がってほしいと祈るような気持ちになります。
ベストな状態を見極めて窯入れするために、経験に勝るものはありません。
自分の目で見て、手で触れて何度も作ってみることが大事です。
その過程には失敗もあります。
でもその経験が自分を成長させてくれます。
P.S. 酵母パン宗像堂さんの言葉です。心の中で反芻し、日々パンと向き合っています。
生地に触れて、そこからどれだけのものを汲み取ることができるか。
日々、きちんとパンと向き合っていれば、自分が更新されている感覚さえある。
手ごねであれば、それが明確にわかる。
どのタイミングで窯に入れるかも、指先の記憶を積み重ねるしかない。