パンの発酵にベストな室温と季節
定番として作っている国産準強力粉「タイプER」のハードブレッドを焼きました。
今回仕込んだ生地は、一晩室温下(18℃前後)で発酵熟成させてみました。
配合はいつもと同じなのに、発酵温度を変えたら、生地の見た目が明らかにいつもとは違っていました。
同じ配合のパンを何度も繰り返し作っていると、小さな変化に敏感になります。
配合、時間、温度、製法などを少し変えるだけで、違いが顕著に表れるのもパン作りのおもしろいところですね。
いつもより高めの温度で熟成させるまでは良かったのですが、時間が長過ぎました。。。汗
酵母が小麦の糖分を必要以上に消費したようで、小麦の甘みや旨味はやや物足りない仕上がりでした。。泣
熟成のベストポイントはどこなのか、今後も試行錯誤したいと思います。
18℃前後の室温は長時間発酵に最適
今の時期(11月後半)の室温(18℃前後)は、長時間発酵させ粉の甘みや旨味を引き出すパン作りに適しています。
18℃前後では、発酵はゆっくりと進み生地に旨味が蓄積されるので小麦本来の味を楽しむリーンな配合のフランスパン、カンパーニュなどを作るのがおすすめです。
また、仕込んだ生地を2つに分け、1つは室温(18℃前後)、もう1つは冷蔵庫(10℃以下)で発酵させ、温度の違いによる変化を試すこともできます。
同じ生地でも、発酵温度と時間を変えれば、焼き上がるパンの甘みや旨味も大きく変わってきます。
生地の長時間発酵にワインセラーを使う
18℃前後の温度帯を、長時間維持する環境としては「ワインセラー」を使うのもおすすめです。
ワインセラーを使えば、季節に左右されることなく安定した温度環境で生地を発酵熟成させることができます。
パン作りのベストシーズン
季節の室温によって、作るのに適したパンがあります。
今回紹介したように、冬場の18℃前後の室温は低温で長時間発酵させるパン作りに向いています。
室温が24℃前後の春・秋はどんなパンも作りやすいベストシーズンです。
室温30℃前後の夏場は生地もだれやすく、バターも溶けて変性しやすいので、パン作りには向きません。
パンのクオリティや売り上げも落ちやすい夏場は、1ヵ月ほど休暇をとるパン屋さんもあるほどです。
室温や湿度を意識したパン作りが習慣になってくると、自然と生地の捏ね上げ温度や加水量のコントロールが上手くなり、コンスタントにクオリティの高いパンを作れるようになります。
四季折々の自然の変化による不確実さを甘受し、パン作りを楽しみましょう。
最後まで、お付き合い頂きありがとうございました。