国産準強力粉「タイプER」に、石臼挽き国産全粒粉「きたほなみ」を配合したカンパーニュを焼きました。
このパンは、材料、配合、大きさ、水分量などをマイナーチェンジさせながら、定番として作り続けているものです。
発酵や焼成がうまくいったときの、パンの香りがたまりません。
噛めば噛むほど味わい深く、また作ろうと思わせてくれるパンです。
全粒粉のパン作りのポイント
全粒粉を含むパンは、外皮の粒や重みが、グルテンのつながりや膨らみを阻害します。
その結果、焼き上がるパンはボリュームが出にくくなります。
外皮の粒は、例えると、パン生地のグルテンのつながりを断つナイフのようなものです。
全粒粉の割合が多くなるほど、パンが膨らみにくく、目が詰まった仕上がりになります。
この全粒粉パンの膨らみにくさを、やわらげる方法があります。
パンを作る前日に、全粒粉を水に浸して一晩置いておくだけです。
水に浸しておくと、外皮の粒がやわらかくなるので、グルテンのつながりを断つナイフの性質が弱くなります。
これで、パンが膨らみやすくなります。
また、水に浸しておく事で小麦は発芽した状態と同じになります。
すると酵素が活性化し、小麦のデンプンやタンパク質が分解され、ブドウ糖やアミノ酸などの成分が増えて、パンの甘みや旨味も増します。
酵素が活性化すると、生地の発酵も早く進みます。
全粒粉を多く含む生地は、やや低めの温度で発酵させた方が、よい結果を得られるでしょう。
全粒粉のパンを作るとき、何かの参考になれば幸いです。
配合(ベーカーズ%)
- タイプER ----------85%
- きたほなみ --------15%
- 塩 -------------------2%
- 水 ------------------72%
- イースト ----------0.2%
道具
製法
- 捏ね上げ温度 ------------24℃
- パンチ -----------------30分おきに2回
- 1次発酵 ----------------25℃で60分後、6℃で24〜48時間
- 分割・成形 --------------350g
- 2次発酵 ----------------室温で20〜30分
- 焼成---------------------240℃で20分
※レシピの配合量、時間や温度は生地の状態をみて調整します。数値はあくまでも目安です。