友達のパン

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パン作りの道具[クープナイフの使い方]

フランスパン/バゲットのクープ

パン屋さんに行って、様々な形のクープが入ったパンが並んでいると楽しくてワクワクしてきますよね!

自分でも、美しいクープや模様が入ったパンを焼いてみたいと思う人も多いと思います。

今回は、パンの表面を華やかに演出し、食感をも左右する道具「クープナイフ」を紹介します。

 

 

パンにクープを入れる目的

クープナイフで、パン生地の表面に切り込みを入れる主な目的は以下になります。

  • パンを美しく見せる
  • 生地の窯伸びを助ける

生地にクープを入れることで、パンの外観を美しく形作ることができます。さらに、生地の窯伸びを助けてくれるのでパンにボリュームを出すことができます。

クープは言わばパンの煙突のようなもので、生地内に溜まっていたガスの抜ける方向を限定し、上方向に誘導する役割があります。

もし適切にクープが入っていないと、膨らんだ生地の中にあるガスの抜け道がないので、生地が横や底から裂けたり割れたりしてしまいます。

クープを入れる目的と役割を理解していれば、実際にクープを入れときの切り込みの深さやラインのイメージもつかみやすくなります。 

 

クープナイフの使い方・持ち方

クープナイフの使い方や持ち方のポイントは以下になります。

  • 生地に当たる部分は刃先の角の部分だけ
  • 親指と人指し指で挟むように持ち力は抜く
  • 躊躇せずに素早く切りこむ 

クープナイフの刃先の角の部分

基本的に、生地を切るために使うのは刃先の角の部分(上画像の赤い部分)のみです。

この生地に触れる部分の角度を意識しておかないと、柄側の刃が生地に引っかかってうまくクープが入らないことがあります。

持ち方は、柄の部分をしっかりと握ってしまうと余計な力が入りスムーズに刃を走らせることができません。

指先の力は抜いた状態で親指と人差し指で挟むように持ちます。

躊躇せずにスムーズに刃を走らせるためには、クープを入れる前に切り込むラインをイメージしておくことが大切です。

慣れないうちは、切り込みを入れるラインの先頭と後ろにあらかじめ刃先で目印をつけておいてクープを入れる方法もおすすめです。

  

 クープナイフの反りや角度の違い

クープナイフ 替刃式 

替刃式のクープナイフ(上画像)は「カミソリの湾曲」と「切りこむ角度」を変えることで、2通りの使い方ができます。

フランスパンなど、クープのエッジを立たせたいパンには、刃に反り(カーブ)が付いたナイフを30〜45度にねかせた角度で切り込みを入れます。

カーブが付いた刃を使うことで、30〜45度の角度が作りやすくなります。

丸パンやコッペ形のパンには、刃がストレートのナイフをほぼ90度垂直にして切り込みを入れます。

この切り方は、クープの深さを調整しやすく、パンの個性を演出する模様なども入れやすくなる利点があります。

刃をストレートにして使う時は、柄の部分からカミソリの刃を外し直接手で持って使う方法もあります。

 

クープのエッジを立たせる

フランスパンのクープのエッジが上手く立たないという人もいます。

私の経験上では、クープの入れ方よりも、成形での締め方〜最終発酵での緩め方の過程で、クープがきれいに開く生地に仕上がっているかのほうが重要だと感じています。

生地に適度な張りがある状態であれば、クープの入れ方が少々ぎこちなくても、刃を走らせた部分がスーッと自然に開いてくる感触が手にも伝わってきます。

 

ただし、クープがきれいに開くには、人知の及ばないところも含め、様々な条件に左右されるので、コントロールできる範囲は限られています。

上手くいくという保証がないからこそ、イメージ通りにきれいにクープが開いてくれた時は、最高に嬉しいですよ!

私もクープの入れ方を教わりましたが、結局は自分でやってみて、数をこなさなければ感覚はつかめません。

初めはゆっくりでいいので、角度や持ち方を意識しながら、何度も反復して手に感覚を覚え込ませることが大事です。

慣れてくれば、無意識に手が反応してくれるようになります。

 

クープの美しさと中身は別物 

クープがきれいに開いてボリュームのあるフランスパンが、必ずしも美味しいわけではありません。

クープが詰まり気味でボリュームがなくても、美味しいフランスパンはあります。

例えば、高加水のバゲット生地は、成形で生地を張らせたり、クープをきれいに入れること自体が難しくなります。

仕上がりのボリュームはあまり出ませんが、クラムがみずみずしく小麦の風味が濃い味に仕上がります。

これは、見た目の美しさより、中身の美味しさを追求した結果ともいえます。

  

おすすめのクープナイフ

クープナイフは、替刃式のものがおすすめです。

替刃式のタイプは、先述したように刃がカーブしている状態と、刃がストレートな状態の2通りの使い方ができます。切れ味が悪くなれば刃の交換ができるので長く使い続けられて衛生的です。

クープナイフの代用品

クープナイフの代用品としては、ペティナイフが一番身近で使いやすいと思います。

替刃式のクープナイフは、「カミソリの刃」と「わりばし」があれば、専用のホルダーがなくても代用品が作れます。

詳しい作り方は、パンキッチンのサイトでも紹介されているので、参考にしてみてください。

最後まで、お付き合い頂きありがとうございました。