作り方・ポイント
国産小麦の中でも高い吸水性をもつキタノカオリに、粉に対して2倍量の熱湯で仕込んだ湯種(湯だね)を配合した水分量92%のプチパンです。
もっちりした食感、翌日になってもみずみずしくパサつかないパンをイメージして水分量を増やして作りました。
湯種で仕込む生地は、大量に水を取りこむことができるのでパンのしっとり感が長持ちし、デンプン由来の甘みも増します。水分量が多くても扱いやすく形崩れしにくいのもメリットといえます。
ただし、湯種のグルテンは熱変性し壊れています。割合が多くなるとパンのボリュームが出なくなるので配合量は調整する必要があります。
[湯だねの作り方]
湯種はパン生地を捏ねる前日に作ります。
作り方はシンプルで粉と熱湯を混ぜるだけです。このときに、熱湯を先に容器に入れておいてから粉を加えるとダマができにくくなります。
湯種の基本配合は、粉と熱湯を1:1の同量で混ぜたものですが、今回は取りこむ水分量を増やしたかったので粉に対して2倍量の熱湯で仕込みました。
粉と熱湯をよく混ぜて粗熱が取れたら、冷蔵庫で一晩(8〜12時間)寝かしてから翌日の本捏ねに使用します。寝かせる時間をとることで、より水和が促進され湯種がしっとりなめらかになります。
[湯だねの加え方]
一晩冷やした湯種をすぐに本捏ねに使うと生地の捏ね上げ温度が低くなりやすいです。
生地の捏ね上げ温度は、パンの風味や発酵時間に決定的な影響を与えます。
冷蔵庫から出した湯種を室温に戻してから加えるなど、ひと手間かけるだけでパンのクオリティが上がります。
季節や室温によって湯種や水の温度を調整し、目標とする捏ね上げ温度に近づけていきましょう。
配合(ベーカーズ%)
[湯種]
- 強力粉 -------------15%
- 熱湯----------------30%
[本捏ね]
- 湯種 ----------------全量
- 強力粉 -------------85%
- 水 ------------------62%
- 塩 -------------------2%
- イースト ----------0.5%
- モルト-------------0.5%
- きび砂糖 -----------3%
- 太白ごま油---------3%
製法
- 捏ね上げ温度 ---------25℃
- パンチ -----------------30分おきに2回
- 1次発酵 ----------------25℃で60分後、14℃で12時間
- 分割・成形 ------------150g
- 2次発酵 ----------------30℃で40分
- 焼成---------------------220℃で15分
※レシピの配合量、時間や温度は生地の状態をみて調整します。数値はあくまでも目安です。