パン屋さんの仕事と働き方
「一度は、憧れのパン屋さんで働いてみたい」
そんな夢や希望を抱く方も多いのではないでしょうか。
かつての私も、そんな想いをもってパン屋さんで働き始めた一人でした。
今回はパン屋さんで働きたい人、ベーカリーの仕事を探しているという人へ、仕事内容や働き方のアドバイスを紹介します。
パン屋さんの働き方
パン屋さんの仕事内容は、お店や会社によって全く異なります。
製造の仕事でいえば、「食パン」ひとつでも、パン屋さんごとに作り方が違うといってもいいです。
このことを踏まえた上で、おすすめする働き方は複数のお店で経験を積むことです。
複数のお店で経験を積めば、お店ごとにパンの製法が違うことを逆手に取って、それぞれの良い部分を組み合わせ、自分なりの方法論を生み出していくことができます。
個人店、チェーン店、どんな形態のお店であっても、1つのお店のやり方だけでは、パン作りの幅は広がっていかないというのが私の実感です。
次のステップに進むのは結果を出してから
ただし、複数のお店で経験を積むことを、安易に働くお店を移ることと混同してはいけません。
まずは、働いているお店で必要とされる存在になることが大事です。
お店に欠かせない存在と認めてもらえれば、責任あるポジションも任せてもらえます。
オーナーや周りのスタッフから信頼を得てはじめて、次のステップに進む時期が近付いたといってもいいでしょう。
最終的には、技術云々よりも人間性が問われます。
特に個人店のオーナーさんは、あなたを、かつて独立を志した自らの姿と重ね合わせます。
成長著しいスタッフがいれば、手放したくないと思う反面、近い将来次のステップに進んでいくことを応援してくれる人もいます。
そういう器量をもったオーナーのお店は繁盛していることが多いです。
もちろん繁盛店で働けば吸収できることもたくさんあります。
メンターとして、お店を移った後も相談にのってもらえるような関係が築ければ、将来独立するときにも心強いですよ。
パン屋さんの仕事
パン屋さんの仕事は分業制がほとんどです。
ポジションをローテーションすることでパン作りの各行程を経験できますが、生地の仕込み〜最終の仕上げまでを一人で担当することは、ほぼありません。
また、忙しい日々の営業時間内では、パンに関する理論を座学で教わるような機会もほぼないと言ってもいいです。
だからこそ、働きながら自分で時間を作って主体的に学ぶべきです。
専門書を読んで、なぜそういう製法で作るのかという理論を知れば、日々の仕事の理解力も高まります。
自分で一からパンを作ることもおすすめです。
身につけた技術を組み合わせ、配合や仕上がりのイメージを考え形にしていきましょう。
業務用の設備に比べ、家でのパン作りは制約が多くなりますが、限られた設備や時間で工夫する術も身につきます。
レシピや要点をノートなどにまとめておけば、仕事で商品開発を任されたときにも役立ちますよ。
パン業界で働く人を対象にした講習会なども定期的に開催されているので、興味のあるテーマのときは参加してみてください。
日々の仕事以外の時間をどう使うかで、成長スピードに大きな差が出てきます。
壁を越えるアドバイス
パン屋さんで働いてみると、外から見える華やかなイメージと、実際の現場のギャップを感じることがあるでしょう。
技術面や体力面で、きびしい壁にぶつかることもあるでしょう。
でも挑戦し、壁にぶつかることは人の成長に欠かせない人生の一部です。
その壁が自分を成長させてくれます。
どんなことも成功は約束されていませんが、成長は約束されています。
壁にぶつかっている最中は、本当の結果が出るまでには時間差があることも忘れないで下さい。
成長を実感できるのは、しばらく後になってからです。
たとえあなたが望むような結果にならなかったとしても、必ず別の形で成長している自分を実感できるときがきます。
立ち止まって一休みする時があっていい。
諦めずに継続していってほしいと思います。
視野を広くして見れば、人生の時間の中でパン屋さんで働ける時間は限られたものです。
今という限られた時間を、有意義なものにするかどうかはあなた次第でもあります。
オープンマインドで聞く耳を持つ
私の経験やアドバイスは、あくまで一個人の見解であって鵜呑みにする必要はありません。
考え方は人それぞれ違っているからこそ、多様性や個性が生まれます。
仕事の現場においても、様々な人の価値観に触れ、客観的な意見を聞く耳をもっていて欲しいです。
オープンマインドな姿勢でいれば、あなたの仕事の幅は、おのずと広がっていくことでしょう。
何かの気づきやヒントになれば幸いです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。