友達のパン

パンづくり、パンレシピ、パンの作り方などを紹介しています

モルトの代用品[麹(こうじ)]でパンづくり

麹

モルトは米麹で代用できる

麹(こうじ)には、モルトと同様に酵素を活性化する働きがあります。

パン作りに使うモルトの代用品として、市販の米麹や塩麹を使うことができます。

麹に含まれる酵素が小麦の「デンプン」や「タンパク質」を、「ブドウ糖」や「アミノ酸」に分解し、甘みや旨味を引き出してくれます。

酵素の働きが強い麹を加えると、生地の発酵もスムーズに進むようになります。

その反面、生地がゆるんでダレやすくなるので配合量は何度か試して調整するとよいでしょう。

微生物や酵素といった見えざる力が生みだす発酵や熟成は、コントロールができない点も魅力であり、正解は1つではありません。

色々と試す中でしか新たな発見は生まれません。

私も麹について研鑽を積んでいきたいと思います。

 

 

米と麹から起こす自家製酵母

お米と麹を使ってパン作りに使う自家製酵母(酒種)を起こすこともできます。

この酒種を使ったパンは木村屋總本店のあんぱんが有名ですね。

 

人の味覚は、発酵由来の甘みや旨味の成分を美味しいもの(=消化吸収によいもの)と感じるようにできています。

 

米麹入り国産小麦粉「タイプER」

パン用小麦粉には、あらかじめ「米こうじ」がブレンドされているものもあります。

リーンな配合のフランスパンやハード系のパン作りに適した江別製粉の「タイプER」は米こうじ、クロレラエキス、アセロラが配合されている北海道産準強力粉です。

 

国産小麦粉の中でも特に灰分値が高い「タイプER」は、低温長時間発酵で小麦の甘みや旨味を引き出したハード系のパンを作るのに適しています。

灰分値が高く酵素活性の強い粉は、高温で発酵過多になると、生地が溶け出すこともあるので、低温で長時間発酵させる製法は理にかなっています。

 

パン用小麦粉の灰分(かいぶん)

先ほど「タイプER」は灰分値が高い(0.68%前後)と紹介しました。

この小麦粉の灰分値について説明を補足します。

灰分(かいぶん)とは小麦の胚芽やフスマに含まれるミネラル分のことで、ヨーロッパでは含まれる灰分(=ミネラル分)の量で小麦粉を分類しています。

灰分が0.65%なら「タイプ65」と分類されます。フランスでパン作りに使われる小麦は「タイプ65」が主流になります。

灰分値が高くなるほど胚芽やフスマを多く含んだ茶色い粉、灰分値が低くなるほど胚乳を多く含んだ精白された粉です。

例えば「タイプ45」であれば真っ白の粉、「タイプ150」であれば全粒粉の茶色い粉になります。

精白小麦の生地を「白い生地」、全粒粉やライ麦の生地を「黒い生地」、卵やバターを加えた生地を「黄色い生地」と表現することもあります。

 

和の素材を活かしたパンづくり

パン作りに使うモルトの代用品として麹を使い、麹から酒種のパン酵母を起こす。

今回紹介した麹の使い方以外にも、麹から作る「甘酒」や「味噌」を使ったパンレシピもあります。

日本のパン文化は、酒種あんぱんや明太子フランスなど、西洋のパンに和の素材を組み合わせることで独自の発展を遂げてきました。

和の素材を活かした日本ならではのパン作りは、これからも広がりを見せていくでしょう。

国産 米こうじ(小分け)