パン焼成時の横割れ、底割れの原因と解決のポイント
先日焼いたパンが、大きく横割れしてしまいました。
時間をかけて育てたパンが、イメージ通りに焼き上がらないと悲しい。。泣
やはり、少しでも良い表情のパンに焼き上げたいですよね。
今回は、パンの焼成時に起きる横割れや底割れの原因を考え、試行錯誤する中で導き出した解決のポイントなどを紹介します。
同じように悩んでいる人の、ヒントや参考になれば幸いです。
パンの横割れ、底割れの原因
オーブンの下火が弱い
下火が弱いと上方向に膨らませる力が弱く、生地が思うように窯伸びしてくれません。
窯伸びが不十分なまま表面が焼き固まると、火が弱く焼き固まっていない底の弱い部分(とじ目)や、側面から割れが起きやすくなります。
解決のポイント
家庭用オーブンを予熱するときは、焼成温度より20〜30℃高めの温度で、天板も一緒に予熱しておくことで、下火の弱さをカバーできます。
私が、横割れ、底割れの解決策として、一番効果を実感したのがこの方法です。
予熱完了後も、庫内に十分に熱気が充満するように、しばらく時間を置いてから窯入れすると良いですよ。
窯入れ時の火傷には、くれぐれも注意してくださいね。
私は何度かやらかしています。。泣
オーブンの性能には、個体差もあります。
オーブン用温度計で、庫内の温度を計ってみると、設定温度と大きな差があることも少なくありません。
ちなみに、我が家では、パナソニックのビストロオーブンでパンを焼いています。
生地の表面が乾燥している
生地の表面が乾燥していると、表面が先に焼き固まってしまい、生地が上方向へ膨らむことが出来なくなり、底のとじ目や側面から裂けてしまいます。
同様に、オーブン内に必要な蒸気が不足している状態でも、表面が先に焼き固まり、底割れや横割れが起こります。
解決のポイント
焼成前に生地の表面が乾燥していたら、霧吹きで適度に水分を補ってあげましょう。
パンの種類にもよりますが、焼成前にぬり卵や牛乳、太白ごま油、オリーブオイルなどの液状の油脂を塗ることで表面の乾燥を抑えることができます。
表面が乾燥する前に、生地が十分に窯伸びすることが、パンの横割れ、底割れを防ぐことにもつながります。
オーブンのスチーム機能を使ったり、熱したストーンに熱湯をかけたり、庫内に十分に蒸気を行き渡らせる工夫もしてみましょう。
最終発酵不足
最終発酵(2次発酵)が不足している生地は、成形で締まったグルテンの構造が十分にゆるんでいない状態です。
まだ、十分に膨らむ準備が出来ていない状態でオーブンに入った生地は、底割れ、横割れが起こりやすくなります。
解決のポイント
私は、オーブンの発酵機能、オーブン使用後の温かい本体の上、小さい電気カーペットなどを組み合わせて温度を調整し、最終発酵をとるようにしています。
ソフト系のパンは最終発酵である程度膨らませてから焼き、ハード系のパンは最終発酵よりも焼成で膨らませることで、仕上がりがよくなります。
レシピの最終発酵の時間や温度はあくまで目安です。
生地の状態を目で見て、手で触れて、柔軟に対応しましょう。
クープが浅過ぎる
クープが浅過ぎる場合、上方向への窯伸びを誘導することが十分に出来ないため、底割れや横割れの一因になります。
解決のポイント
クープは、入れるラインをイメージしたら、躊躇せずに刃を走らせるのがコツです。
途中、切り込みが浅くなった部分があれば、もう一度入れ直せば大丈夫です。
生地の発酵状態によって、入れるクープの深さや本数を変えることで、パンのボリュームを調整することも可能です。基本は以下になります。
[発酵不足の時]
窯伸びを助けるために、クープは深めに本数も多く入れる
[発酵過多の時]
しぼまないように、クープは浅めに本数も少なく入れる
焼けたパンの表情は一期一会
ほかにも、横割れや底割れの原因をさかのぼれば、
- 生地の配合
- ミキシング具合
- 成形の強弱
様々な要因が挙げられるのでキリがありません。
焼けたパンを見て、原因究明をしていると、
「こうした方がよかったかも…」
いろいろな仮説が浮かんできて、迷宮入りすることも。。汗
パン作りを何度経験しても、
「うまく焼き上がって欲しい」
祈るような気持ちになります。
みなさんも、少しくらい上手くいかなくても、その経験から学び、パン作りを楽しみましょう。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。