カスタードクリームの基本配合や作り方のポイント
パンやお菓子に欠かせないクリームと言えばカスタードクリームです。
今回は素材や工程ごとの作り方のポイントをまとめてみました。
カスタードクリームの基本配合と材料
カスタードクリームのレシピは様々ありますが、最低限必要となる4つの基本材料を使った配合を紹介します。
- 卵黄 ----------------70g
- 砂糖 ----------------75g
- 薄力粉 -------------30g
- 牛乳 ---------------450g
基本材料のポイント
[卵黄]
卵黄はあらかじめよくほがしておかないと、砂糖を加えたときにダマになりやすいです。
卵黄と砂糖を混ぜ合わせるときは、色が白くもったりした状態になるまでしっかり混ぜるようにしましょう。
[砂糖]
クセがなく他の素材の味を邪魔しないグラニュー糖を使うのが基本です。
カスタードクリームにコクを出したいときは、きび砂糖などのブラウンシュガーを使ってもよいでしょう。
[薄力粉]
しっかりすり混ぜた状態の卵黄と砂糖に、薄力粉をふるった後は、グルテンが出過ぎないように粉気がなくなる程度に軽く混ぜるだけで十分です。
薄力粉にコーンスターチを加えると、サラっとした軽いクリームに仕上がります。
家庭にコーンスターチがない場合は片栗粉で代用する作り方もあります。
[牛乳]
牛乳は低温で加えるとクリームの加熱時間が長くなるので、ふちの方がフツフツと沸くまでしっかり加熱(80℃が目安)してから加えましょう。
牛乳にヴァニラスティックを加えてクリームを炊くときは、使ったバニラのさやでヴァニラシュガーを作ることができます。
バニラのさやを軽く洗って乾かし、砂糖の中にいれておくだけで、バニラの香りが移ります。
ヴァニラシュガーは、お菓子作りや、ドリンクに加えて楽しむのがおすすめです。
クリームの炊き方とポイント
カスタードクリームを炊くのは、熱伝導がゆるやかで火が柔らかく通る「銅ボウル」を使うのが最適です。
炊いているクリームに粘りが出始め混ぜる手が重たくなってきたら、混ぜる手が軽くなるブレークダウン現象(糊化したデンプンの粒子が壊れる現象)が起こるまで絶えず混ぜ続けながら炊くようにしましょう。
混ぜる手が軽くなるブレークダウン現象は粉にしっかり火が入ったかの目安となります。
加熱が不十分だとクリームが粉っぽい味になってしまいます。
また、クリームは殺菌のため82℃以上に加熱するようにしましょう。
最終的な炊き上がり温度は85℃が目安です。
炊き上がったクリームは表面をラップでぴったり密着させ急冷させます。
急冷するのは、細菌が繁殖しやすい温度帯を早く通過させるためです。
カスタードは急冷させてから、一晩冷蔵庫で寝かせて、味をなじませてから使用すると味わいも変わります。甘みがまろやかになりコクが増します。
一晩寝かせたクリームでなければ使わないという、こだわりを持ったお店もあります。
カスタードクリームのバリエーション
お菓子作りでは、カスタードクリームに他の素材を混ぜ合わせたクリームがよく使われます。
代表的なバリエーションを以下に紹介します。
[クレーム・ムスリーヌ]
カスタードにバターを混ぜ合わせたクリームです。
リッチで濃厚な味わいに仕上がります。
[クレーム・ディプロマット]
カスタードに生クリームを混ぜ合わせクリームです。
口当たりが軽くなめらかな仕上がりになります。
[クレーム・フランジパーヌ]
カスタードにアーモンドクリームを混ぜ合わせたクリームです。
ナッツのコクとカスタードのなめらかさの融合が味わえます。
作り手の数だけアレンジレシピがある
紹介したクリームに、ラム、コアントロー、キルシュなどの洋酒を加えることで味の表現はさらに広がっていきます。
基本の作り方をベースに、材料や配合の組み合わせを変えて、自分だけのアレンジレシピを楽しんでみてください。