60時間発酵のパン
国産準強力粉「タイプER」で60時間発酵させたパンを作りました。
当初、48時間を想定し微量の酵母で仕込んだ生地は、発酵がゆったりペースだったので60時間かけてじっくり熟成させてみました。
微量の酵母で仕込んだ生地は、焼成までの作業時間の幅に余裕をもたせることができます。
ストレート法で作るパンは、分刻みのズレが仕上がりに影響するので、12時間発酵を伸ばすなんてとても出来ません。
焼き上がったパンは、小麦の「デンプン」や「タンパク質」が分解され「ブドウ糖」や「アミノ酸」が増えた結果、甘みや旨味が強く感じられる仕上がりになりました。
必要最小限の素材を使って、どれだけ小麦の味を引き出すことができるか。
配合や発酵の温度などを工夫することで、パンの可能性はどんどん広がっていきます。
低温長時間発酵は家庭でのパン作りに最適
低温長時間発酵は、仕込み〜焼き上げまでのスケジュールに余裕を持ってパンが作れます。
また、生地が高加水でも冷えて硬くなり、成形時に扱いやすくなるので、家庭でのパン作りに向いています。
発酵時間100時間超えのパン
パン生地の発酵は最長何時間まで可能なのか。
日本で長時間発酵の第一人者といえる「シニフィアン シニフィエ」の志賀勝栄シェフは120時間発酵バゲットを発表されていました。
大阪の「パリアッシュ」には、その名も[7日間]という7日(168時間)かけて発酵させたパンがあります。
どちらのパンも発酵100時間超えです。。汗
全く未知の領域で何度ぐらいで生地を寝かすのかその製法にも興味が尽きません。
生地のピークのタイミングを見極めることも難しそうです。
発酵の不確実さを甘受する
パン生地の発酵は、時間が長ければ長いほど旨味が醸し出されるものでもありません。
使う小麦粉や配合の違い、目には見えない酵母の状態、天候や湿度など、人の手の施しようがないところも含めていろいろな要素に左右されます。
生地の発酵を完璧にコントロールすることなど出来ません。
パン作りにおける不確実さを甘受し、生地の状態に合わせて柔軟に対応することが大切です。
スケジュール通りにいかなくても、それを楽しみましょう。
最後まで、お付き合い頂きありがとうございました。