「マギーキッチンサイエンス」ハロルド・マギー
ハロルド・マギーの「マギーキッチンサイエンス」は、あらゆる食物と料理を科学的視点も交えて解説した「食の辞典」と呼ぶにふさわしい本です。
ミシュラン二つ星シェフの座右の書
私とこの本の出会いは、ミシュラン二つ星レストランのシェフが座右の書としてボロボロになるまで読み返した本として紹介されていたのがきっかけです。
美味しい料理、パン、お菓子、ドリンクを作るために重要となる、それぞれの素材の特性を知ることができるこの本は食の仕事に携わる人が手元に置いておきたい一冊です。
サワー種を科学する
個人的に一番興味があった、パンの章から読み始めました。
サワー種を使ったパン作り、細菌と酵母の関係性、スターターの分割と再活性化、冷蔵発酵などが科学も交えて解説されています。
液状のスターターは固形のスターターにくらべ栄養を取り込みやすく、酵母も細菌も早く増殖するので再活性化を頻繁にする必要があると知り、自家製酵母のリフレッシュの頻度も増やしてみました。
食の世界の広がりを体験
私はパンの章をきっかけに、パンの発酵と、ビールやワインの発酵に共通点が多いことも知り、よりアルコール発酵の世界に興味を持つようになりました。
パンでも肉でも野菜でも、読者それぞれが興味のある食物を入り口としてこの本を読み進めていくと食の世界が連鎖的に広がっていくのを感じるでしょう。