[人間は料理をする]タルティーンベーカリーのカントリーブレッド
ジャーナリストのマイケル・ポーランが、自然界の四要素[火、水、空気、土]をテーマに、自ら料理修行を行う「人間は料理をする」空気と土(下)を紹介します。
第三部となる空気編では、タルティーンベーカリーのチャド・ロバートソンのパンに魅せられたポーランが、実際にチャド本人から教えを請けて、タルティーンのカントリーブレッド作りに挑戦します。
この空気編を読んでいると、ダッチオーブン、コンボクッカー、ストウブなどの蓋つきの鍋を使って焼くカンパーニュが無性に作りたくなってきます。
ほかにも[精製された小麦の白パン]と[全粒粉の黒パン]にみる健康への影響、大量生産されるパン工場の裏側、風味豊かでよく膨らんだ全粒粉パンを焼くための工夫など、パン作りが好きな人には、興味深いテーマが取り上げられています。
「パン作りには不確実さを甘受する心構えが求められる」
著者が説くこの考え方は、良いパン作りにとても大事だと思っていて、心の中で反芻しながらパン作りをしているときもあります。
第四部となる土編では「発酵」をテーマに、アメリカの自家製発酵のメンターであるサンダー・キャッツにザワークラウトの作り方を教わり、修道院でチーズを作り、息子とビール醸造に挑戦するというバラエティに富んだ内容です。
おすすめ料理本の紹介もあり、アリス・ウォータース、チャド・ロバートソン、サンダー・カッツ、ハロルド・マギー、ピーター・ラインハートなど、私もインスピレーションを受けている人達の本が紹介されています。